【NEWS】群馬県高崎市、住民票・戸籍交付、登録型本人通知制度導入へ

群馬県高崎市、住民票・戸籍交付、登録型本人通知制度導入へ


▼概要

群馬県高崎市は、2012年12月から、住民票の写しや戸籍謄本などを以下の第三者に交付した場合、本人に通知する制度をスタートさせる。
(1)委任状による代理人請求
(2)特定事務受任者(弁護士など)の職務上の請求(裁判、紛争などにかかるものは除く)
(3)家族など正当な理由がある第三者からの請求

▼通知の受け取りについて

通知を受けるには、事前登録が必要となっている。
高崎市に住民登録か本籍のある人などを対象に、約1カ月後に通知が郵送される。

▼導入のメリット・目的

委任状の偽造などによる不正請求の防止が目的。
本人以外の請求は、委任状による代理人のほか、弁護士や司法書士、土地家屋調査士といった特定事務受任者が職務で請求することも戸籍法で認められている。
こうした職権を悪用し、特定の個人の住民票を不正に取得する犯罪も近年、目立っている。
当該通知で本人が、第三者が戸籍等の請求を行っていることを早期に知ることで、個人情報開示請求による事実関係究明の手掛かりになることが期待される。

▼群馬県内の本人通知制度の導入状況

(1)前橋市:2011年8月に導入
(2)下仁田町:2012年4月に導入
(3)伊勢崎市:2012年8月に導入
(4)高崎市:2012年12月に導入予定

【NEWS】松江市・町田市が性同一性障害に配慮、表に戸籍上性別記載しない保険証、練馬区も対応検討

松江市・町田市が性同一性障害に配慮、表に戸籍上性別記載しない保険証、練馬区も対応検討


▼概要

東京都町田市が2012年10月19日に、心と体の性が一致しない「性同一性障害(GID)」と診断された市民に配慮・要望に応じ、国民健康保険証の表面にある性別欄に性別を記載せず、裏面に特記事項として戸籍上の性別を記載した国民健康保険証を交付した。

▼経緯

▽島根県松江市
(1)性同一性障害のある島根県松江市の上田地優(ちひろ)さん(54)(戸籍上は男性、女性として生活)は、健康保険証の性別の記載に関して、2007年から戸籍と異なる「女性」と記載することを厚生労働省や市に求めていた。上田さんは2006年1月にGIDの診断を受けた。2012年4月に保険証がカード化され、性別表記が目立つようになったため「医療機関で保険証を提示するのが苦痛」と松江市側に訴えていた。
(2)島根県松江市が2012年7月2日に厚労省の了承を得て性別欄に「裏面記載」、裏面の備考欄に「戸籍上の性別男(性同一性障がいのため)」と手書きした保険証を発行した。
上田さんの保険証を巡っては、松江市は島根県や厚労省と対応策を協議して2012年6月、裏面記載を提案。
厚労省も「問題はない」として市の方針を容認。松江市保険年金課は「(上田さんが)困っていたので国などに問い合わせた。緊急避難的に対応した」としている。

▽しかしながら、、、
松江市の暫定措置後、厚労省が性別欄に「女性」と記載することで調整を進めた(いったんは容認する姿勢を示していた)が、「医療機関が男性、女性それぞれに、性別特有の疾病を見逃す可能性がある」、「裏を確認せず、カルテに性別を記入する可能性がある−」等から「女性」の記載を見送り、2012年9月21日付で以下の通知を全国の自治体などに交付した。

(3)厚生労働省は、各都道府県や健康保険組合に、2012年9月21日付通知で、国民健康保険証には戸籍上の性別を記載しなければならない」としつつも「保険者がやむをえない理由があると判断した場合、「裏面参照」といった表記で配慮をしてもよい」、「裏面に性別を記載する工夫は差しつかえない」、「その場合、保険証の裏面には「性別は男」などと戸籍上の性を記載する」という趣旨の通知を出した。

▽参考資料
2012年9月21日付通知、厚生労働省が島根県松江市長や全国の自治体等に宛てた、被保険者証の性別表記についての回答

(4)保険証を受け取った後、市役所で記者会見した上田さんは「新たな記載方法が制度化されたことは大きな進歩」、「厚労省も県も市も本気で取り組んでくれた。いろんな人に感謝したい」、「松江市には感謝している。他の自治体も認識を変えなくてはいけないのではないか」と述べた。一方で「女」と表記できなかったことについて、「性別適合手術で、性別特有の疾病にかかる可能性も変わるのなら、データを示してほしい」と、決定に異論を投げかけた。「これは終わりではなく通過点」とも語り、医療の専門家を対象にGIDの啓発活動を続けていく意向を示した。と一定の評価をした。
(5)島根県松江市は2012年10月1日、表面の性別記載欄に「裏面参照」、裏面に戸籍上の性別を印刷した国民健康保険証を交付した。

▽東京都町田市
(6)島根県松江市の事例(厚労省の通知)を知った、東京都町田市の市民(戸籍上は男性、10年ほど前から女性として生活する30代のアルバイト従業員)が「雇用の際などに、男性と書かれた保険証を提示し説明するのは苦痛だ」と、2012年7月に本人が町田市に相談し、新たな保険証の発行を求めた。
(7)2012年10月19日、申し出書と医師の診断書を提出。東京都町田市の市民に、保険証は表面の性別欄に「裏面に記載」と表記し、裏面の備考欄に「戸籍上の性別 男(性同一性障がいのため)」と記載された保険証が即日交付された。

▼町田市保険年金課のコメント

「医師の診断があり、記載と実態に合った性別が違うことに苦痛を感じているのであれば、今後も同様の対応をしていきたい」と話している。
性同一性障害と診断された人が保険証の性別を変えるには、性別適合手術を受けて戸籍そのものを変える必要があり、今回の措置は部分的な改善とも言えるが、町田市では「可能な範囲で本人の人権に配慮した」としている。

▼今後の他の自治体の展開

都内では練馬区などでも、住民から新たな保険証を求める相談があり、対応を検討している。

▼戸籍の性別変更について

性同一性障害(GID)の当事者は、性別適合手術や家裁の審判を経て戸籍を変更すれば、保険証の性別も変えられる。
厚生労働省によると、戸籍の変更はせず、保険証の表記方法を変えたのは「把握している範囲では全国初」という。

▼市民団体の意見

市民団体「性と人権ネットワークESTO」の真木柾鷹(まさきまさたか)代表は「周囲の人に保険証を見られ、実生活の性別と異なると疑問に思われる。医療機関を受診するのも楽になるので、こうした動きが広がっていくといい」と話している。

【NEWS】性同一性障害、性別変更、非嫡出子の戸籍訂正認めず、東京家裁

【NEWS】性同一性障害、性別変更、非嫡出子の戸籍訂正認めず、東京家裁


▼概要

心と体の性が一致しない性同一性障害のため、戸籍の性別を女性から変更した大阪府東大阪市の会社員の男性(30)とその妻(30)が、第三者から精子の提供を受けて妻が出産した男児(2)の戸籍について、父親欄を空白にされ、会社員の男性を父と認めないのは不当(差別)だと訴え、訂正を求めた家事審判(男児を嫡出子(ちゃくしゅつし)(婚内子)と認めるよう求めた家事審判)で、東京家裁(松谷佳樹家事審判官)は2012年10月31日、「憲法が禁じる差別に当たらない」と夫婦の申し立てを却下する決定を出した。
夫婦は決定を不服として即時抗告する方針。

▼詳細

会社員は2008年、性同一性障害特例法に基づき性別を女性から男性に変更したうえで結婚。
翌年2009年、第三者からの精子提供による非配偶者間人工授精で男児が生まれた。
出生届を出そうとしたが、実子と認められなかったため取り下げ、無戸籍の状態が続いていた。
夫婦が2012年1月、本籍のある東京都新宿区に改めて会社員を父とする出生届を出したところ、新宿区は職権で父親の欄を空欄にした戸籍を作った(長男を非嫡出子(婚外子)として戸籍に記載した)。
このため、夫婦は、「結婚した夫婦の子なのに、嫡出子と認めないのは差別だ」と訴え、2012年3月に戸籍の訂正を求める家事審判を申し立てた。

▼法務省の解釈

法務省は、民法の規定から「結婚した男女間に生まれ、原則として生物学的な親子関係がある子」を嫡出子と解釈。
また、法務省によると、性同一性障害で性別を変更した夫と妻の子の戸籍に関する司法判断は初めて。

▼東京家裁の決定

東京家裁の決定によると、以下のように判断。
(1)会社員は性同一性障害特例法に基づいて男性に性別変更したので、夫に男性としての生殖能力がないことは戸籍の記載から客観的に明らかで、嫡出子(実子)とは推定できない。
(2)非嫡出子とした記載は客観的な事実に合致しており、訂正する理由はないと判断。
(3)嫡出子でないことは客観的事実。差別ではない。
(4)性同一性障害者への差別だとした男性側の主張も、「戸籍上の処理は、あくまでも客観的に嫡出子として推定されるかどうかという事実認定の問題」として退けた。
(5)当該事例の夫婦の場合は「特別養子縁組をすれば、子の法的保護に欠けるところはない」とした。

▼当事者夫婦の訴え

2012年11月2日の記者会見で、男性会社員は「性同一性障害特例法で男として扱うことにしたのだから、父としても同じ扱いを受けたい。差別を差別でないと言い切られたことに激しい怒りがわく」、「納得できない。これまで訴えてきたことは何だったのか」と述べた。
代理人弁護士によると、性別変更した男性と妻の子について、嫡出子としての記載を求めた初のケースだった。

▼嫡出子(ちゃくしゅつし) と非嫡出子とは?

嫡出子は、「法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子供」のことを指します。
その対義語の非嫡出子は、「法律上の婚姻関係がない男女(内縁など)の間に生まれた子供」のことを指します。
尚、実子は、以下の3タイプに分類されます。
(1)嫡出子:推定される嫡出子(婚姻・離婚から200日~300日に生まれた子供)
(2)嫡出子:推定されない嫡出子(婚姻から200日以内に生まれた子供)
(3)非嫡出子